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2017年定例会の報告

第3回定例会
「駐日イタリア大使を囲んで」

報告:中込照明






今回は23年ぶりの駐日イタリア大使を囲んでの夕食会となった。 私は両方に出席したが、今回は前回と比べると全く対照的な定例会となった。前回はLaVita6階ホールでの完璧なレセプションスタイル、今回は地下レストランでの完璧な無礼講スタイル。

そもそもの発端は自転車とイタリアをこよなく愛する北村香奈江さん(当同好会会員)の活躍による。詳細は彼女による乾杯の辞から引用させていただく。

今年の六月にイタリア大使館の共和国記念日のレセプションにお招きいただいた際に、高知県スポーツ課が作成した高知のサイクリングコースの写真集を贈呈させていただきました。 そして、スタラーチェ大使が高知のサイクリングコースを大変気に入られ、自転車で走ってみたいたいとおっしゃっている、と伺っていましたが、こんなに早くおいでいただくとは、思いもよらず、夢のような気持ちです。

この場を持つことになったきっかけは、日本にも沢山のファンのいた、イタリア人の自転車選手、ミケーレ・スカルポーニさんが、ジロ・デ・イタリアに向けた練習中に交通事故で亡くなる、という悲しい出来事でした。

日本のファンたちは、自転車選手としてだけでなく、ひょうきんで愛すべき人物であった彼のことが大好きだったのです。 そこで、ジロのサルディニアでのステージに観戦に行った私が、日本の友人たちと集めたちょっとした支援のお金をご遺族、特に奥様と五歳の双児の息子さんにお渡しするよう、スカルポーニさんの属していたチームに託しました。

そのことが、イタリアのジャーナリストによってインターネットで紹介され、記事を読まれたスタラーチェ大使が私を6月2日のパーティにお招きくださったのです。

スカルポーニ選手がもうこの世にいないことは、私たちにとって悲しいことです。しかし、彼はこのつながりを見て、天国で喜んでくれているのではないか、と思います。

というわけで、今回の参加者はイタリア同好会・高知のメンバーに加えて、高知県サイクリング協会、そして事前に大使による高知県知事表敬訪問もあり、県庁関係者も含むものとなった。

宴の始まりはまず石川啓子副会長の司会のもと大使一行の入場を緊張感漂う拍手でお出迎えである。大使一行の内訳は:

一行ご着席の後、テノール歌手TOSHIこと森岡俊厚会長による歓迎の辞が述べられた。辞そのもはごく普通の無難なものであったが、後半に寺田晶子さんによるピアノ伴奏とともにテノールの力強い歌声を響かせて辞を締めくくったのは素晴らしく、大使一行を含め参会者全員に高揚感を与え、漂う緊張感を払拭し、この宴の進行を大いに活気づかせるものとなった。

続いて高知県知事のご挨拶の予定であったが、所用により出席できず代理出席となり、知事からの祝辞が読み上げられた。

そして、イタリア大使Giogio Starace 閣下による挨拶があった。挨拶は同伴の通訳Letter氏によって日本語に訳された。

こうして、ようやく前出の北村さんによるサルーテ(乾杯)の掛け声とともに「駐日イタリア大使を囲んで」の祝宴が始まった。

会場の壁にはさりげなくどこからでも見えるようにスクリーンが2面用意され、イタリア同好会・高知の紹介ビデオが Come Prima のBGMと共に映し出された。とはいえ、会場の喧騒にかき消され、BGMはほとんど聞こえなかったが。

食事は高知県産品をふんだんに使ったイタリアンのフルコースである。前菜は、

と高知県産食材の勢ぞろいである。続く、パスタ、魚料理、肉料理においても高知県食材を主にした料理が供された。すべて、ブオノ、ブオノ(うまいうまい)と食べつくされた。最後のデザートは直七のパンナコッタであった。直七とは宿毛産のゆずに似た柑橘類である。これもブオノといいたいところであるが、上にキウイフルーツがのっていたため、それにアレルギーのある小生としては食すことができず残念であった。

飲み物はもちろん、イタリアンワイン、スプマンテから始まり、白ワイン、赤ワインと続き、大いに飲み頭もふらふらし、当初はコース料理ということで、料理が終わるまでは各自の席は動かないようにというお達しであったが、皆ゆらゆらと席を移動し始め、日本語、イタリア語、英語のごちゃごちゃ言葉で宴は大いに盛り上がる。

特に、Starace大使の横にはLetter通訳が控えているので、日本語OKで、大勢の参会者が気楽に話しかけることができたようである。日高村の村長はしっかりと村の特産品の宣伝をしたようであり、小生も「Monte Paschi di Siena 銀行に小生が持っている口座は大丈夫か」などという少々ずれた質問をするも「State Money が入ったから大丈夫、大丈夫」などと答えていただき、「自分は物理学者だ」というと、息子さんの話が出て、「息子も物理学者だが、いまはコンピュータサイエンスをやっている」ことなども聞かせていただいた。

また、MSジャパンサービス社長のStaccioli氏は日本滞在28年ということで、日本語が自由に話せ、本業以外に大使館の近くにイタリアンのレストランも経営しているとのことで、「きょうのイタリア料理はどうですか」と聞いてみると、「最高だ」との返事、半分はお世辞かな。

このような宴会では話の内容はどうでもよく、とりあえず言葉を交わすことが重要なのだとのことで、次に、一等書記官のD'Ercole氏の席に向かったが、話す内容が思いつかない。D'Ercole氏はきれいな髭を蓄えており、小生もひげ仲間なので、どんな手入れをしているかと聞いてみたところ、「時々はさみで切っているだけ」とのこと。Fini氏、Leskovar氏ともほんの少しだが話ができたのはよかった。

食事もひと段落したところで、どこからともなく、高知名物「菊の花」の盆が出てくる。そこかしこで、ゲームが始まる。人数分の杯が盆の上に伏せられていて、順に返していき、中に菊の花が入っていた人はすべての杯に注がれた酒を飲むことになるという宴会遊びであるが、これに参加した外国要人(閣下という敬称が付く)としては今回のイタリア大使Giogio Starce閣下、スロベニア大使Simona Leskovar閣下が初めてではないだろうか。人数分の1の確率で誰でも当たり得るのであるが、幸いなことに、両大使も、小生も菊の花を当てずに済んだが、なんと、菊の花を当てたのは最後のTOSHIであった。TOSHIはすべての杯を飲み干した後、再びテノールの美声を響かせてこの宴を締めくくったのであった。

こうして、初秋の宴はイタリア同好会事務局長の宮地貴嗣氏の閉会の辞と共にお開きとなった。

なお、大使一行は翌日高知県サイクリング協会のメンバーと共に仁淀川沿いのコースでサイクリングを楽しまれた後、高知竜馬空港より無事帰路に就いたようである。

以下、当日および翌日のスナップ写真をご覧いただこう:


いよいよ開会

森岡会長 歓迎の挨拶

Starace大使

乾杯の辞

Starace大使(左),Letter通訳(右)


D'Ercole氏(中央の髭)

Leskovar氏

辻星野氏

Fini氏(右)

Staccioli氏(中央)












菊の花を当てたtoshi

PIAZZA

閉会の辞









追伸的感想:初めに今回は無礼講スタイルと書いたが、前回のレセプションスタイルにもまして、周到な準備が必要であったことは記しておかねばならない。しかも、そのために費やした努力の跡がほぼ完ぺきに消去されていたという点が素晴らしい。

第2回定例会
イタリアの学生と友達になろう? partVI
−ヴェネツィア カ・フォスカリ大学留学生との交流会−

報告:入交桂子


早口ことば 上手に言えるかな…
今年も、4月から6月にかけて、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学から10人の学生達が高知に留学にやってきました。イタリア同好会・高知では、第2回定例会に今年も留学生達を招待し、楽しい時間を過ごしました。今回で「part6」今年もみんな、勉強熱心で明るく楽しい学生さん達ばかり・・男性はイケメンぞろい、女性はかわいい! 会の始まりに、いつもイタリア国家を合唱しますが、最後の「イターリア・キアーモ!Si!」と元気に歌うとなんだか、自分もイタリア人になった気分・・ 学生さん達の自己紹介のあと、高知の食材を使ったイタリア料理を食べながら歓談しました。私の隣の男子学生はカルパッチョに使われている魚に興味津々・・「美味しい!」と喜んで食べていました。


こうして、ああして、それで…わかった?
今回のメインイベントは「チーム対抗イタリア語日本語早口言葉対決」と「日本人・イタリア人混ざっての伝言ゲーム」でした。日本人がイタリアの早口言葉をイタリア人が日本の早口言葉を言います。学生達が歌うように日本の早口言葉を言うと「ブラボー!」の掛け声、イタリア語をしゃべるのが初めての日本人の方も難しいイタリアの早口言葉に果敢に挑戦! 上手に言えるとハイタッチして喜びあい、学生達も日本人もおおいに盛り上がりました! 「伝言ゲーム」ではイタリア語が含まれている、高知に関係する文章を伝言していきました。もとの文章がわからないくらい変化しているチームや、なんとかイタリア語だけは伝わっていたチーム・・みんな大笑いでした。


今年のしばてんたち
学生達は日本語がとても上手で、日本の事をよく勉強しています。話をしていると、あらためて、日本文化の良さに気づく事があります。とても楽しく日本とイタリアの文化交流ができました。来年もフォスカリ大学から留学生が高知に来て、「part7」が開催できたらいいなぁ・・と思いました。参加いただいた学生の皆さん、本当にありがとうございました。

第1回定例会
講演「トランプ大統領の誕生とイタリア、日本」

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